●骨粗鬆症とは
骨はカルシウムやタンパク質等の成分によってつくられ、日々の部分的な破壊(骨吸収)と再生(骨形成)を繰り返し、新陳代謝をしています。生活習慣や加齢により骨に含まれるカルシウムが減少し、この新陳代謝のバランスが崩れると骨の密度(骨密度)が下がり骨折しやすくなります。この状態が骨粗鬆症です。発症してしまうとささいな日常生活においても「骨折を起こしやすくなる」などの重大な事故に繋がりやすい疾患です。
●原因
加齢による骨密度の低下
人間の骨量は、成長期を経て17才から20才頃にピークに達し、40代半ばまでその骨量を維持して、女性の場合は、閉経期を境に例外なく急激に下がって行きます。ピークの数値が低い程、骨粗鬆症になる確率が高くなるわけです。女性の場合は骨形成に関係する女性ホルモン(エストロゲン)が閉経によって、減少するため、特に閉経後5年くらいは急激に骨量が減少します。閉経年齢は50歳前後と言われており、この頃から骨粗鬆症と診断される方が増加し始めます。
骨密度が低くなる原因としては、加齢・閉経・必要な栄養素の摂取不足・運動不足などです。誰でも加齢により骨密度は減少しますが、骨折危険域にまで減少する人とそうならない人がいます。最近では若い女性の無理なダイエットによっても引き起こされることが多々ありますので、無理のない医学的なダイエットをしましょう。
健康的なダイエット方法をご紹介できますので、ご相談ください。
まずは骨量を測ってみましょう。 骨量が最大の20才の時に骨密度を確認して、自分の骨の状態を知っておくのがいいでしょう。 当院ではDXA(デキサ)法といって、前腕・腰椎・股関節で測定します。 最新の機器を導入いたしましたので、骨粗鬆症のより詳しい状態を調べられるようになりました。 詳細はこちらをご覧ください。 https://www.toyo-medic.co.jp/products/bmdme/horizon/ |
●骨粗鬆症になってしまったら
従来は牛乳などカルシウムを多く取ることを強く薦めていましたが、現在では新しい薬が開発されたことによって骨密度を維持することにおいては非常に高い効果が得られます。事前に骨密度を計測し、お一人お一人に適した治療方法を組み立てていきます。
●日常生活で気をつけること
適度な運動
当院では運動療法もご指導できます。
食生活の改善
日光にあたる
内 服 薬
●活性型ビタミンD3製剤
食事で摂取したカルシウムの腸管からの吸収を増す働きがあります。また、骨形成と骨吸収のバランスも調整します。
●ビスフォスフォネート製剤
骨吸収を抑制することにより骨形成を促し、骨密度を増やす作用があります。骨粗鬆症の治療薬の中でもっとも有効性が認められている薬です。1回/week の内服が世界的なスタンダードとなっています。骨吸収がゆるやかになると、骨形成が追いついて新しい骨がきちんと埋め込まれ、骨密度の高い骨が出来上がります。
注 射 薬
●カルシトニン製剤(注射薬)
骨吸収を抑制する注射薬ですが、強い鎮痛作用も認められています。骨粗鬆症に伴う背中や腰の痛みに対して用いられます。
●副甲状腺ホルモン製剤(注射薬)
現在、当院ではフォルテオ、テリボンという2種類の骨粗鬆症に対する注射製剤を積極的に使用しております。従来の経口ビスフォスフォネート製剤でなかなか骨密度が増えない、或いは腰痛の軽減が得られない方や数回にわたるつらい圧迫骨折を起こされている人は、
この注射による結果が期待できます。